「秋鮭(あきさけ)」をよく見かけるようになりました。
鮭は、おにぎりの具の代表選手でもあるように、お米とは切っても切れない間柄ですが、
この「秋鮭(あきさけ)」って、どんな鮭か知っていますか?
実は筆者は最近知りました。。。
鮭というと、紅鮭、銀鮭、白鮭、時鮭、といろいろ聞いたころがあると思いますが、
秋鮭はこれとはまた別の鮭なのでしょうか??
それを教えてくださったのは、『おさかな小学校』さん。
年間を通して毎週末に、オンラインでおさかなと海のつながりの授業をされておられ、
筆者は受講者のひとり。小学生に交じって受講していますが、大人の方も多いようです。
大人が聞いてもなるほどー、という気づきが満載で、知っているつもりでも知らないことだらけだなといつも思います。
毎月1魚種のテーマで、毎週土曜日の朝にオンライン授業があり、今月(10月)のテーマが鮭。
さて先ほどの話題ですが、秋鮭はどんな鮭か。
答えは、「白鮭(シロザケ)」という鮭の季節名、ということです。
この「白鮭(シロザケ)」は、タイミングによって呼び名が変わるそうで、
9~11月に海から川に産卵のために戻ってきたときは「秋鮭」、
5~7月ころ、季節外れのタイミングだと「時しらず」や「時鮭」と言われるそうなんです。
海から日本の川に戻ってきた鮭。
なんとなく、秋に捕れる鮭、と思っていましたが、どんな風に生きてきたのかを考えると、感慨深いですね。
そんな機会もいただいたので、「秋鮭」を使ったお料理を作ってみました。
日本の川に戻ってきた鮭、ということで、日本の伝統料理をと。
宮城県の郷土料理、「はらこ飯」。
秋鮭の炊き込みご飯にいくらをのせた旬満載のお料理です。
先日、いくらの醤油漬けの記事もアップしました。
いくらは市販のものでももちろんOKですが、よかったら、そちらを参考に手作りもぜひ。
https://www.kikkaryo.jp/post/ikuranojiang-you-zi-ke
簡単にはらこ飯の作り方をまとめると、
鮭をしょうゆとみりんで味付けしたら、鮭は取り出し煮汁でお米を炊く。
蒸らす時に鮭を戻し入れ、ふっくら温まったところで、半分は盛り付け用に取り出して、
残りは混ぜ込み盛り付け。
取り出していた鮭をのせて、そこにたっぷりといくらの醤油漬けのせる。
という工程です。
材料はこちら。
■米 3合
■秋鮭 400g(切り身3切れ)
■塩(鮭の振り塩) 適宜
・A 水 1カップ(200ml)
・A しょうゆ 大さじ2
・A みりん 大さじ2
・A しょうが汁 小さじ1
■いくらの醤油漬け 適宜
■三つ葉 適宜
材料はとてもシンプルです。
鮭は今回、秋鮭の半身を入れてカットして使いましたが、
切身の状態になっているものでもちろんOKです。
骨が残っていたので骨抜きで骨取り。
鮭を1cmくらいの厚みにカットしたら、薄く振り塩をして5分ほどおきます。
そうすると、うま味がアップして臭みが抑えられます。
それを、沸騰してから中火にして、表面がゆらゆらしているくらいのお湯にさっとくぐらせたら冷水にとり
皮目にうろこが残っていないかチェック。
水から引きあげて水けをきります。
鍋に材料のA(水、しょうゆ、みりん、しょうが汁)を入れて煮立てたら、
鮭を入れ、再び煮立ったらすぐに火を止めて、キッチンペーパーをかぶせてそのまま冷まします。
鮭の身を煮るというよりは、余熱で味をしみこませるほうが、身が固くならずにふっくらと仕上がると思います。
冷ましている間にお米の準備を。
お米を洗い、水きりします。
お米は3合。同じ量の水分で炊きますが、冷めた鮭の煮汁をまず取り分けて
そこに水を足して3合(540ml)に。
お米と一緒に鍋に入れて、40分浸水したらそのまま炊飯。(鮭の身はここでは入れません)
炊き上がったら、蒸らす前に鮭の身を加えて10分蒸らす。
(※炊飯器の場合は、炊き上がったら一度フタを開けて、同様に10分蒸らしてください。)
蒸らしている間に、鮭に熱が通り、またふっくらしっとりに。
蒸らし終わったらフタを開けて盛り付け。
ちょっと手間ですが、鮭の身は半分は盛り付け用に取り出して、残りはご飯と一緒に混ぜ込み。
器に盛りつけたら、取り出した鮭をきれいにのせて、 いくらをのせ、三つ葉をあしらう。
鮭の湯通しや煮汁の余熱で火を通すなど、ちょっと面倒かもしれませんが、
シンプルなだけに、やってみると出来上がりの美味しさに違いが出ると思います。
冷めてもおいしくいただけます。
はらこ飯は、もともとは、宮城県の漁師さんが作っていた漁師飯で、お殿様にも献上されたお料理なのだそうです。
その時に一番おいしいものを、心づくしで作ったことで食文化として引き継がれ、こうして今もいただけることがありがたいですね。