台湾の屋台料理、魯肉飯(ルーローハン)。
手に入りやすい調味料で、本格的な味付けになるレシピをご紹介します。
作り方のポイントは、「砂糖をこがす」と、「五香粉」。
「五香粉」はあまりなじみがないかもしれませんが、これがあるだけで、一気に本格感がアップします。八角、山椒、シナモン、陳皮、クローブの五種類のスパイスのブレンドなので、五つの香りの粉。
筆者は普段、鶏のから揚げの下味にも使ったりします。下味にしなくても、塩と混ぜて、揚げ物のつけ塩にするのもおすすめです。
この香りのお話、最後にちょっとエピソードを書いていますので、よかったらご覧ください。
材料はこちら(4人分)
■豚バラ肉(ブロック) 400g
■干ししいたけ 10g
■長ねぎ 1本(100g)
■にんにく(みじん切り) 大さじ2
■しょうが(みじん切り) 大さじ2
■砂糖 大さじ2
A 水 2カップ(400ml)
A 干ししたけの戻し汁 1カップ(200ml)
A 酒 1/4カップ(50ml)
A しょうゆ 大さじ3
A オイスターソース 大さじ2
A 五香粉(ウーシャンフェン) 小さじ1 ※しっかりと香りが出るので、心配ならば半分で
A 赤唐辛子 2本
■ゆで卵 4個
作り方です。
豚バラ肉のブロック(400g)を1cm角にカット。
豚ひき肉を使うとより手軽なので、ひき肉で作る時もありますが、仕上がりのごろっとした食感があるほうがおいしい気がします。
干ししいたけ(10g)は水で戻してから粗みじん切りに。
戻す時、時間がなければ、耐熱ボウルにひたひたの水と入れて、ラップなしで電子レンジで2分くらい加熱して、そのままおいておくと、早く戻ります。
戻し汁も煮る時に使うので、捨てずに。
長ねぎ(1本)はタテ半分に切ってから薄切りに。
にんにく、しょうがはみじん切りに。(それぞれ大さじ2使う)
ゆで卵もあらかじめ作っておきます。
ゆで卵は、あとで煮汁に加えて10分ほど煮て味をつけます。
この後にまた火が入るので、黄身はとろとろの状態に。ここから10分煮ると、ほどよい硬さになります。
(硬さはお好みですが)
なかなか狙った硬さにならない、ということもあるかと思いますので、ゆで卵の黄身の仕上がりが安定しやすいゆで方を参考までに。
鍋に湯を沸かし、しっかり沸とうさせてから、塩を加え、火を弱めて生卵を入れます。卵は冷蔵庫から出したてで大丈夫です。
湯の表面がゆらゆらするくらいの火加減にして6分ゆでると、上の写真のような黄身がとろりと流れるくらいに仕上がります。
ちょうどよい半熟具合というと、8分くらいがおすすめです。
水からゆでる場合は、鍋の大きさと水の量によって、沸とうするまでの時間などの条件が変わるので、
同じ時間ゆでても黄身の状態に違いが出やすいですが、いつも同じ条件でうまくいっているようでしたらそちらでも!
ゆで終わったらすぐに、冷水にさらすと、殻がつるっとむけやすくなります。
ゆでるときに塩を加えるのも理由があります。ゆで卵をゆでていたら、卵の殻にひびが入っていて、白身がどんどん出てきてしまった、、そんな経験ないですか?
塩を入れると、たんぱく質の凝固作用で、ひびが入っていてもあまり外に出てくることがありません。
魯肉飯に戻ります。ここからはフライパンで。
フライパンに油はしかず、豚バラ肉を炒める。
しっかり焼き色がついたら、にんにくとしょうが、長ねぎを加えてさらに炒める。
香ばしい香りになったら、ここで砂糖(大さじ2)を。
砂糖を加えたら、しばらく炒めてカラメル状にします。
見極めが難しそうかというとそんなことはなく、炒めていて、カラメルの香ばしい香りがするまで炒めればOK。
香りが出たらすぐに、(香りが出てから炒め続けるとこげる)Aと干ししいたけを入れ、30分煮ます。
A 水 2カップ(400ml)
A 干ししたけの戻し汁 1カップ(200ml)
A 酒 1/4カップ(50ml)
A しょうゆ 大さじ3
A オイスターソース 大さじ2
A 五香粉(ウーシャンフェン) 小さじ1 ※しっかりと香りが出るので、心配ならば半分で
A 赤唐辛子 2本
■干ししいたけ(戻して粗みじん切り)
干ししいたけの戻し汁も捨てずに使ってください。
ゆで卵を加えてさらに10分煮たらできあがり。
ご飯に汁ごとのせて、ゆで卵を添え、あれば青菜の漬物を添えるとよりおいしい。
※豚バラ肉の脂が気になる場合は、一晩冷蔵庫におくと、表面に脂が固まるので、取り除いてください。
さて、香りにまつわるお話を少し。
台湾料理には、ちょっとした思い出があります。
筆者の初めての海外旅行先は台湾で、大学生になりたての10代のころ。
当時、大学の専攻に関わる勉強のために訪れました。
その時、衝撃的だったのは、コンビニに必ずある煮卵(日本でのおでんのような売り方)。
その香りが、当時まだ経験したことのないもので、後々にその衝撃の理由が「八角」というスパイスだったと知りました。
はじめは強烈な違和感を感じて、コンビニに入るのも気おくれしたのですが、慣れてくると不思議と清涼感を感じるようになり、香りを心地よく思うようになりました。その記憶が今でもとても印象的です。
そんな衝撃を受けたスタートでしたが、台湾のお料理は実はとてもやさしい味つけ。
お野菜もたくさん使うし、その味わいを活かすのも、日本とよく似ていると思いました。
その後、食に関わる仕事を選んだあとも、何度か訪れている台湾。
日本国内の台湾料理屋さんは、中国料理とあまり差がないようなイメージがありますが、本来の台湾料理はちょっと違うような気がします。
でも、八角の香りをかぐと、一番に思い出すのは、台湾のコンビニの煮卵。
今調べてみると、「茶葉蛋(チェ―インタン)」というのですね。
今回、魯肉飯(ルーローハン)をご紹介したのも、何かで見た台湾の記事で、八角の香りを思い出したから。
香りの記憶というのは面白いですね。
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